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なぜ、アッシュ系の髪色にならないのか

日本人の地毛は黒髪です。しかし、地毛ではなくヘアカラー(白髪染めも含め)をして髪色を変えている女性が多いです。そして近年、ロングセラーな髪色なのが、アッシュ系カラーです。

そんなアッシュ系のカラーですが、この髪色を美容院でオーダーした時に、一度はこんな体験をしたことがあるのではないでしょうか?

– 美容院でのとあるシーン –


お客様:こんな髪色にしたいです。(スマホで写真を見せる)

美容師:どれですか?……!?…これは、ちょっと1回では難しいです。

お客様:え!?この髪色、1回のカラーじゃ出来ないんですか?

美容師:これは、ブリーチをしないとこの色は出ません。

お客様:えぇー、ブリーチはちょっと…、

美容師:では、なんとかブリーチなしで頑張ってみます。

結果 >>> 中途半端なアッシュ系カラーに仕上がる

『アッシュ系の髪色にするには、ブリーチが必要』と、予期せぬ追加メニューがくっついてきてしまった、という体験です。

ちなみに、ここでいうブリーチをした髪にヘアカラーをすることを『ダブルカラー』と言います。

ダブルカラーとは


ブリーチ剤で髪を一旦脱色して、その脱色した状態の髪にカラーリングをして、高明度なヘアカラーを発色させる美容の技術。(※ブリーチを2回した場合はトリプルカラーと言い、回数ごとに名前が変わります)

予期せぬ追加メニューの上に、それがブリーチともなるとお客様の中でのハードルは、グッと上がってしまいます。


そもそも、なぜブリーチが必要なのか

ブリーチが必要な理由はぶっちゃけて言うと“ 2点 ”だけです。

◆ 地毛に残った赤味(オレンジ味)を抹消するため

◆ ヘアカラーでは、明るくするのに限界がある

「カラーだけじゃ出来ないの?」かという意見をよくお聞きますので、それをこれから解説したいと思います。

まず、カラー剤に含まれる成分は大きく分けて【アルカリ】【脱色剤】【色素】の3つ。

図で例えるとこんな感じ

ヘアカラー工程の流れ


1 アルカリで髪を膨潤させる

2 脱色剤で地毛の黒色の色素を脱色し明るくする

3 脱色された髪に色素を入れる

4 放置後、シャンプーをして乾かせば終了

これらのことを把握し行っているのが、ヘアカラー施術です。

  1. 【アルカリ】→髪を膨潤させる
  2. 【脱色剤】→髪を明るくする
  3. 【色素】→髪色を変える

といった感じです。

しかし、このカラー剤にも様々な種類のものが存在し、「カラーで一番明るいので染めたい!」といったオーダーの時に使うのが“高明度カラー剤”です。

高明度カラー剤を図で例えるとこんな感じ

先ほどの図と比較すると

色素の量が減り脱色剤とアルカリの量が増えたことにお気付きでしょうか?

この色素量が少なく、脱色力がそこそこなのことで、高明度カラー剤を使用しても求めるアッシュ系のカラーにはならないのです!


なぜ、高明度カラー剤だけではアッシュ系のカラーにならないのか

答えは簡単です。高明度カラー剤だけの脱色力では、日本人の持つアンダートーン(赤味やオレンジ味)を打ち消すことができないのと、そのアンダートーンに勝る色素量が足りていないからです。

アンダートーンとは


髪を脱色していくと“アンダートーン”というものが徐々に現れます。(下記の図を参照)

このアンダートーンというのは、黒髪を明るくした時にメラニン(黒色の)色素が壊れて、脱色して出てくる【髪色】のことです。

ヘアカラーをして2〜3ヶ月後くらいの時に出てくるあの独特のキラッとした、赤味やオレンジ味。あの独特のキラッとした感じがヤンキーっぽさを彷彿させ、まさにセルフでブリーチ剤のみを使ってとにかく明るくしたかったヤンキー色。あれこそが、アンダートーンです。

このアンダートーンこそが、アッシュ系カラーがキレイに発色されない原因だったのです。


アッシュの色素を大量に入れればよいのでは

というように考える方もいると思いますが、それでそのままカラーをすると髪色はめちゃくちゃ暗くなります。上記のレベルスケールでいう“6番くらい”になると思います。

出したくてもキレイに出せない、人気のアッシュ系のカラーの出し方についてご説明したいと思います。


アッシュ系カラーの出し方

結局のところ、理論的にはシンプルです。

① 赤味&オレンジ味を消す

② 適正なアッシュの量を入れる

図で言うとこんな感じです。

アンダートーンがたっぷり入った髪の毛から

ブリーチでアンダートーンとメラニン色素を脱色

そこへ、アッシュの色素を投入

これにより、アッシュ系カラーが完成

もう少し補足を追加しながら解説しますと、ヘアカラーのレシピを考える上で、重要になってくるのが【色相環】理論です。

図のように、虹色の始まりと終わりをくっ付けて円にしたものを色相環というものがあり、この色相環の理論を用いて、ヘアカラーのレシピを決めています。

そして、特に使う理論は【補色】です!

補色とは?


その色味の反対色のことで、色相環でいう対角線上にあたる色味。補色同士を同等の量で混ぜ合わせるとお互いの色味を打ち消し合う効果がある。

アッシュ系カラーの色味は【青色】。ちなみに、赤味が強い人は、ベースを【紺色】にして、それでも足りないようであれば追加で【緑色】と【紫色】も足すと良いです。

ということは、さっきの色相環の図に当てはめると、

青の類似色の補色にあたるのが、ちょうどオレンジの類似色。まさに、アンダートーンの赤味やオレンジ味がアッシュ系カラーをする上で邪魔をしていたのです。

だから、赤味とオレンジ味の原因となるアンダートーンをブリーチで脱色して、そこに残った赤味やオレンジ味よりアッシュの色素が多くなるようにカラーを入れていたのです!


結論

アッシュ系のかわいい淡いカラーをしたい時は、ブリーチもセットですることを覚悟する必要があります。何かを得るには、何かを捨てないといけません。

『ブリーチをしたら傷む』というイメージは昔からありますが、最近のブリーチは優秀になってきているので、以前よりもダメージが軽減されるようになってきました。

今しかやれないというタイミングであれば、ダブルカラーをするのも1つの案かもしれません。