施術ブログはHPBにて掲載中です( 緑のエリアをタップ← )

上手いカットとは

美容師としてお客様に喜んでもらうために、技術を磨くことは欠かせないことです。その技術の代表格といえば【カット】だと思います。しかし、カットは何を基準にして上手い下手が決まるのかが意外と曖昧になっていることが多いです。

美容師のカット講習や理論、そしてお客様に直接聞いたりしていると、お客様から見た上手いカットと美容師から見た上手いカットには、少し“食い違い”があるようにようです。今回は、美容室では当たり前のメニューカットについて説明したいと思います。

お客様から「こういう髪型にして下さい」や「伸びた分、毛先を切ってください」や「長さ変えずに梳いて下さい」など、オーダーは様々です。こういったオーダーを聞き入れてハサミを使って形にするのがカットだと思います。

あとは、その出来がったスタイルに対してお客様が満足して頂くかどうかの話だと思います。カット中、お客様からよく言われるのが「そういう切り方もあるんだ」や「その切り方、凄いね」といった驚きの声です。

それに対して僕は、「◯◯さんは髪質が△△なので、こうやって切る必要があるんですよ」と説明をします。「そうなんですか!?けっこう適当に切ってるかと思ってました」と、意外にも驚かれます。

お客様からしたら、これが正直なところだと思います。意外に思われますが、じつはカットにしっかりとした理論が存在しています。


美容師が使うハサミ

ハサミには大きく分けて3種類あります。

【シザー】

長さを切る目的のハサミで、毛束を切った時はブツ切りに切れます。最もスタンダードなハサミで、技量がある美容師はこれ一本でスタイルを作ります。


【セニングシザー】

いわゆる『スキバサミ』というもので、毛束を切った時に切れる箇所と切れない箇所があるタイプのハサミです。一般的に毛量を減らしたい時に使用します。


【スライドシザー】

毛束を切る時に毛先に向かってスライドさせるように切るハサミで、切った箇所は滑らかに斜めになります。このハサミで普通に切っても、ブツ切りにはなりません。

上記以外にも様々なハサミはありますが、大きく分けてこの3タイプです。


どうやってカットしているのか

まず、どんなスタイルを作るにも全体の長さをカットして毛量の調整をする必要があります。

カットの基本的な流れ

① カットシザーで全体の長さを切ります。

② セニングシザーで、全体の毛量を減らします。

③ 最後の微調整や質感調整をカットシザーやスライドシザーで行う。


1. 外部のデザイン(エクスターナル)

2. 内部のデザイン(インターナル)

3. 仕上げ(質感調整)


これが、カットの基本的な流れです。


多種多様なカット技法

その時の用途に応じて、使っているハサミが同じでも切り方を変えるだけで、切れ方が変わります。髪の毛は生えている状態で生えグセに左右されなければ、基本的には【短い毛→長い毛】に流れる性質があります。

という形状の髪の毛を、

このようにカットすると、

矢印の方向に流れやすくなるという法則です。

前髪を矢印の方向に流せるように切るには、前髪の切り口を、

このようにすることで、矢印の方向へと流れやすくなります。

その他のカット技法に、スライドカット、チョップカット、ルーツセニング、ステップボーンカットなどなります。


美容師はマルチタスク

上記に記載させてもらったようなテクニックを駆使して、カットは構成されています。これらの技法は、ほんの一部でまだまだたくさんの技術や知識があります。

このことを頭の中で考えながらカットをし、そのカットをしている最中もお客様と会話やカウンセリングをするというマルチタスクな仕事を常日頃行っております。

少し話が脱線しますが、男性と女性の脳の違いについて少しお話します。

【男性】

シングルタスク脳。1つのことに集中し、力を発揮する脳のタイプ。

方向感覚や立体への思考が得意な未来思考型。

《得意技術》・・・カット、パーマ、ストレート、次回提案


【女性】

マルチタスク脳。横並びことに対して、同時にこなせる脳のタイプ。

何か行動をしながらも同時対応が得意な現在進行型。

《得意技術》・・・シャンプー、スパ、カラー、対話

男性美容師はシングルタスク脳が多いため、それを克服するため毎日お客様と対応することによって、徐々にハーフマルチタスク脳へと鍛えられていきます。逆に女性美容師は、マルチタスク脳ではあるが立体や未来提案への苦手意識があるため、カット練習やサロンワークで克服していきます。

というように、こうした様々なことを考慮しながら、我々美容師はサロンワークを行っております。しかし、ここまで考えているが、案外お客様には伝わっていないという事実。これに関しては、美容師の伝える力が弱いからと個人的には思います。

もっとお客様に対して、「◯◯さんは、△△だからこう切りにます」としっかり伝える必要があります。美容師から見て「上手い」と思うカットでも、お客様から「上手い」と思われなければ『カットが下手』という扱いにみなされます。

美容師サイドから見ても、お客様自身から見ても『上手い』と思われるカットでありたいと思います。