施術ブログはHPBにて掲載中です( 緑のエリアをタップ← )

黒染めを明るくするのは難しい

普段、お客様を担当していると様々なオーダーをお聞きします。

実習や就活が終わると、黒染めで暗くしていたお客様が「明るくしたい」といったオーダーが非常に多くなります。いわゆる、黒染めからのトーンアップのことです。


黒染めから明るくするのは難しい

じつはこの技術、いっけん簡単そうに見えますが意外に難しいです。お客様によってはこの黒染めを軽視している方も多いと思われます。じつは、黒染めした髪の毛はただの黒髪ではないのです。色だけ見たら「地毛と同じなのでは?」と思われがちですが、中身は全然違います。

何がそんなに難しいのか

根元〜中間〜毛先と、それぞれの髪の部位で残留色素やダメージの状態が違います。黒染め履歴のある方に思い返して欲しいのが『以前は明るかった』ということ。

黒色になっているので色はリセットされたように見えますが、コンディションはリセットされてません。そのあたりを考慮して施術しなければいけないので、その予測とその個所に合わせた薬剤を選定することが、極めて難しいんです。

ということで、今回はそんな「就活が終わったので、髪を明るくしたいんです」というお客様のBefore&Afterと施術の解説です。

【Before】

黒染めからのトーンアップ 黒髪

ウェットの状態で分かりにくいかもしれませんが、立派な黒髪履歴のある髪です。

これを一度、根元(新生部)のトーンアップと中間〜毛先(既染部)の黒染めを脱色するという髪内部に残留している色素を取り除きます。

【塗布終了時】

黒染めからのトーンアップ 黒髪

Point !


ここで大事なのが、塗布スピードとカラー塗布した髪をダックカールで上に留めないということ。上部で留めると根元の薬剤と毛先の薬剤が混ざってしまい、仕上がりにムラの原因になるので気を付けましょう!

ちなみに、下記が今回のレシピです。

1st 塗布選定


・新生部:10Lvブラウン : 6Lvグレイカラー = 3 : 1 ←OX6%等倍

・既染部:ライトナー : パウダーブリーチ = 10 : 1 ←OX6%2倍

※新生部と既染部は間を開けずすぐに塗布し20分放置(タイマーは毛先を塗り終わった時点で入れる)

ここでお伝えしておきたいのが「黒染めから明るくする」というのは、実はカラー剤だけでは不可能ということ。そもそも、残留色素を破壊する成分そのものがカラー剤には含まれていません

よって、この世にはそれを可能にするのがブリーチ剤しかないのです。


ブリーチは決して悪ではない

イメージだけで言えば、『髪が傷むもの』となっているのではないでしょうか。それはブリーチ単品でガッツリ髪に塗ったらの場合で、実は上手く使えば低ダメージで脱色ができるというものなんです。だから、ブリーチ剤に対する嫌悪感を少しずつ緩和した方が良いと思います。

黒染めをしてて「今度は明るくする」となった時点で、ブリーチの使用は即決定です。だから、美容師にも言いたいのが『ちゃんとお客様にも説明をしましょう』ということです。

美容師:「黒染めしているから、ブリーチしないと明るくなりません」

お客様:「ブリーチは傷むから、ブリーチは使って欲しくないです」

美容師:「うーん、、、分かりました。ブリーチを使わず明るくなるように頑張りますね」

お客様:「お願いします!」

お客様のご要望と言えど、出来ないものは出来ないのでブリーチを使わないなら『明るくするのを辞める』か、明るくしたいなら『ブリーチを使って良いかの許可を取る』かの選択をしてもらいしましょう。

こういった下りの結末は、【カラー剤のみで頑張る】→【希望通りの明るさにならない】→【結局ブリーチをする】といった感じで、結果的に3回カラーをしてます。

時間も掛かって、髪も傷んで、ブリーチを結局使うので、一番してはいけないストーリーです。美容師さん、ブリーチについてちゃんと説明をしましょう。

では、放置時間の20分が経ったので一旦流します。

【シャンプー後】

黒染めからのトーンアップ 黒髪

全体的にほんのり明るくなりました。

まさに、これぐらいを狙っておりましたのでバッチリな途中経過の状態です!

そして、ここからダブルカラーに移ります。今回のご要望のカラーが『ピンクブラウン』だったので、さらにここからカラーを塗布します。

2nd 塗布選定


・新生部&既染部:10LVピンク : 6Lvグレイカラー : 6Lvピンク = 3 : 1 : 10% ←OX6%等倍

※1メイク塗布で放置25分。

ここでポイントなのが、OX6%を使うということとグレイカラーを使用するということ。

「でも、それじゃ傷みが」という声も出ると思うが、ここでダメージを気にしてOXの%を下げた結果、ムラを作ってしまいカラーの直しをもう一回する方がよっぽど傷むというものです。

あと、OX6%を使うことで、1回目のブリーチで上がり切っていない部分との明度の補正をしつつ、グレイカラーが色ムラ補正をダブルで行ってくれるという2大特典があります。

ということで、仕上がりです。

【After】

黒染めからのトーンアップ 黒髪

いい感じですね、綺麗なピンクブラウンです。

「黒染めから明るくしたい」と思っている方は、少量のブリーチを覚悟していただき、美容師さんにはこのやり方がおすすめなので、ぜひ一度試してみてください。